今では全国的に知られるようになった「ゴーヤーチャンプルー」は元々は沖縄の家庭料理である。
ゴーヤーの正式名称は「にがうり」で、沖縄の方言で「チャンプルー」は豆腐と野菜を混ぜて炒めた料理のことです。
沖縄観光に訪れた方なら一度は食されたと思いますが、まだ沖縄へ行ったことがない、ゴーヤーチャンプルーも食べたことがない方でも失敗しないゴーヤーチャンプルーの作り方を、ウチナンチュ(沖縄県民)である管理人が紹介しよう。
目次
ゴーヤーさえ手に入れば誰でもできるゴーヤーチャンプルー
一昔前まではゴーヤーは沖縄や九州の南部でしか手に入らない野菜であったが、今では比較的どこでも手に入りやすく、日差しの強い地域では家庭菜園や緑のカーテンとして人気の野菜である。
ゴーヤーチャンプルーは一見すると沖縄独特の料理で調理は難しいと勘違いされがちであるが、実はとっても簡単なんです。
だが、間違った調理法も全国には広まっていて、私も転勤で福岡に暮らしていた時、同僚の奥様に作って頂いたゴーヤーチャンプルーにはアサリが入っていて、全くの別物であった。
「奥さん、これはゴーヤーチャンプルーじゃありませんぜ!」と喉まで出かかったが「けっこう上手でしょ?」と言わんばかりの笑顔で出されたものだから黙っていただくことにした。
もちろんアレンジして楽しむのもアリだが、この記事を読まれた方は、まずは沖縄の家庭で食べられているゴーヤーチャンプルーの調理法を学んで実践して欲しい。
ゴーヤーチャンプルーの作り方
ゴーヤーの旬は夏。5月~8月が一番収穫できる時期である。
現在ではハウス栽培により冬でも手に入るが、いかんせん旬の時期ではないので価格も高いし、栄養も旨味ものっていない。
是非とも食欲が落ちる夏場に、夏バテ防止の定番食であるゴーヤーチャンプルーにチャレンジしてください。
材料(2人前)
- ゴーヤー(にがうり) 200g(約1本)
- 島豆腐(木綿豆腐) 200g
※沖縄の島豆腐が手に入らない場合固めの木綿豆腐を使用してください - 豚肩ロース肉 ※ベーコンやポークランチョンミート(スパム)でも良い
- 卵 1個
- サラダ油 大さじ3
- 塩 適宜
- 醤油 少々
- かつお削り 1袋(3g程度)
伝統的なゴーヤーチャンプルーを味わいたいなら材料にはこだわりたい。豆腐は沖縄の島豆腐、お肉は豚肉、油はラードを使用する。
ただし、島豆腐は全国でこでも手に入れることができるとは言い難く、もしも近くに沖縄の食材をあつかう店などがあれば是非こだわってみてください。
こだわると味わいも格別です。
作り方
- ゴーヤーはタテ割にし、種とわたを取り除きます。
- ゴーヤーを2~3㎜に薄切りにします。
- 豚肉は軽く茹でて短冊切りにします。(今回はスパムを使用しました)
- フライパンに大さじ2の油を熱して、豆腐を大きめにちぎります。
- 豆腐を強火できつね色になるまで炒めて、塩少々をふり、皿に取り出しておきます。
- 残りの油を加えて肉(スパム)を炒め、ゴーヤーも入れて炒め、塩を少々ふります。
- ゴーヤーと肉に火が通ったら取り分けておいた豆腐を戻して一緒に炒め合わせます。
- 塩をひとつまみ入れたとき卵を⑦に流し入れ、全体を混ぜ合わせます。
- 最後に香りづけに鍋肌から醤油を少々入れ、皿に盛りつけます。
- 好みでかつお削りをふって出来上がり。
材料や調味料もシンプル、手順も簡単なので初心者でも失敗せず出来ますよ。
文字だけではイメージが難しいという方は、後述の番外編では写真付きで解説していますのでご参照ください。
ゴーヤーの栄養と有効成分
沖縄では古くから主に夏場に食されてきました。それはゴーヤーが旬の時期であるのはもちろん、その栄養価と効能が夏こそ食べたい料理であることを知っていたからです。
沖縄では夏バテ防止の定番料理として週1以上は食されています。
疲労回復やお肌にも良いビタミンCが豊富
ゴーヤーが100ℊあたりに含んでいるビタミンCは76㎎と非常に多く、トマトの15㎎の約5倍です。
本来ビタミンCは熱には弱いのですが、ゴーヤーに含まれるビタミンCは熱に強く、炒めても壊れにくいため、ゴーヤーチャンプルーは栄養学的にも理にかなった調理法なのです。
苦味成分は「モモデルシン」
ゴーヤーの一番の特徴であるあの苦味は「モモデルシン」という成分で、胃腸の粘膜を保護したり、食欲増進の効果があります。
暑い沖縄では冷たい水分を多くとるため、胃腸の調子を崩しやすく、夏バテして食欲減退しやすい環境になります。
それを知ってか知らぬか、ゴーヤーチャンプルーは夏場にぴったりの理に語った料理なのです。
先人の知恵ってすごい!
番外編:子供も食べやすい裏技アレンジ
ゴーヤーチャンプルーはそもそも苦味を活かした炒め物なので、もしかしたらお子様には人気がないメニューかもしれません。
苦味をおいしいと感じるようになるのは大人になってからという報告もあるくらいですから。
私も子供のころはどちらかというと苦手であったが、今では毎日でも食べたいと思えるくらい好きなメニューのひとつになりました。
ところで沖縄の各家庭では、本来の調理を若干アレンジした調理法が存在しています。でも基本はおさえているので大きくそれることはありません。
これから紹介するのは我が家で昔から作っているゴーヤーチャンプルー。
ゴーヤーの苦味を抑えるちょっとした裏技を使いながら手順を紹介します。
ゴーヤーはタテ半分にカットします。1本で約2人前です。
ゴーヤーのわたは使わないのでスプーンで取り除きます。簡単にきれいに取れます。
ゴーヤーをスライスし、あわせて我が家ではニンジンの千切りを入れます。にんじんの甘味がゴーヤーの苦味を和らげてくれます。
野菜を下ごしらえできました。あとは生たまごと島豆腐(木綿豆腐)、豚肉を使います。
今回豚肉がなかったので、ポークランチョンミートを使用します。食べやすい大きさにカットします。
野菜を炒める前に、島豆腐を油でいためて、別の皿に取り分けておきます。あとで合わせます。
はじめに火が通りにくいニンジン、ゴーヤーの順に入れ、少し火が通ったらポークを入れて炒めます
味付けですが、塩だけでも良いのですが、白だしを使ったり、我が家では「昆布だしの素」を使っています。2人前で約半袋の4g程度をふり入れます。少々お醤油もたらし入れました。
野菜とポークに火が通ったら、先に炒めていた島豆腐を合わせ、生たまごを溶いてかけ流します。野菜に火が通りにくいようなら、たまごを流し入れる工程の前に少し水を入れ、蓋をして蒸すと良いです。
たまごにも火が通ったら盛り付けて出来上がりです。
特別な調味料や調理法がいらないので、手順通りにやれば失敗せずに美味しく出来上がりますよ。
今晩はゴーヤーチャンプルーで沖縄の家庭料理を楽しんでみませんか。